筑波大学 システム情報系 白川(直)研究室

研究内容

環境流量のグローバルモデリング

 河川環境の保全や改善を目的として,人間が取水せずに河道内に残しておく水を環境流量(または環境用水)と呼びます.例えば水力発電のために川の水を全て取水すれば,多くの電力を得ることはできますが,川にすむ生き物は減ってしまいます.持続可能な人間活動を営むためには,人間側の欲望を少し我慢して川の環境のためにいくらかの水量をとっておかねばなりません.

 それでは,どの場所にどれだけの水が環境流量として必要なのでしょうか.世界各地に使われてきたさまざまな環境流量の設定方法を統一し,将来予測に役立てようとする動きが進んでいます.本研究室では,河川環境の特徴に基づきながら人間社会の事情も考慮にいれた環境流量グローバルモデルの構築を行っています.

河川環境の経済評価

 環境を改善するためには費用がかかります.河川環境であればその改善策の多くは公共事業であり,費用の出所は税金ということになります.教育や医療にあてられたかもしれない資源を環境改善へ投じるべきとする根拠は何でしょうか.そして,どの水準まで環境を改善するのが最適なのでしょうか.

 本研究室では代替法や顕示選好法といった経済評価手法を用いながら,河川環境に関わる事業の評価を行っています.

山地河道における瀬淵指標の開発

 河川生態系の重要な物理環境(ハビタット)といえば,まっさきに瀬と淵が挙げられます.しかし瀬や淵は定性的な概念であり,工学的に扱いにくいのも事実です.とくに山地河道は地形が細かく複雑で,単純な瀬淵モデルでは解釈しきれません.

 そこで本研究室では,水深と流れ型と河床材料という簡単な項目を使って山地河道の物理構造を分類する方法を研究しています.現地観測を繰り返してデータを蓄積し,曖昧で一見とりとめのない風景を数値によって解読し,浮かび上がる法則性を発見しようと試みています.

まちづくりと川

 より良い河川管理には流域住民の参加が欠かせません.市民団体による河川環境保全の取り組みは,全国各地で地域活性化にも貢献しています.市民団体にはそれぞれ活動をひっぱる魅力的な中心人物がいて,組織の維持や拡大を図るための工夫がみられます.資金や人材など制約の多い中で,市民団体はどのような地位を占め,役割を果たしていくべきなのか,行政を含めたどのような仕組みを作っていくべきかを研究しています.

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